あらすじ
コハク・クロムの話を聞いて病に伏している村の巫女・ルリを助けて、村の人々を味方につける作戦を思いついた千空。
近代文明が失われ医者もいない世界で、千空は「抗生物質」に挑戦することを決意する。そしてその一歩目として鉄の製造に手をかける。
これまで石や木を利用していたが、鉄を手に入れることで文明の発展が飛躍的に加速する。
しかし、製鉄するためには膨大な熱量が必要であり、人手も圧倒的に足りない。いまだ村に入れていない千空だが、村人たちの協力が必須になる。
千空たちは村人たちを味方につけるために、現代人には馴染み深いが意外なものを作っていく!一体何を作って村人たちを仲間に引き入れていくのか?
見どころ
(1) 万能薬へ向かう科学のロードマップ
ルリを救うために始まった万能薬(抗生物質)作り。作り方に全く馴染みがないがロードマップがポップに描かれ、そんなもので作られているんだ!と身近に感じられる。
またコハク、クロムのルリを救いたい強い気持ちも描かれ、どうやって困難な万能薬作りを成し遂げるのか楽しみになる。
(2) 新キャラ・スイカの登場!と一風変わった桃太郎の話
千空たちが川で砂鉄を集めているとスイカが流れてくる。それが新キャラ・スイカだった。人手が圧倒的に足りない状況で鉄作りの助けとなるのか。
そしてクロムたちはなぜか桃太郎の話を知っていることに違和感を持った千空。クロムたちが知っている桃太郎は熊、ライオン、ゴリラ、ワニをキビ団子で仲間にしていた。
(3) 科学の餌で村人たちをゲット!
鉄作りを始めた千空たちだが圧倒的に人手が足りない。そのため村人たちを仲間にすることが必須になる。スイカは村の人たちが何を欲しがっている調査し、新しい食事を作ることに!その食事に利用するのはなんと猫じゃらし。一体何ができるのか!
名言ピックアップ
千空:「この石だけの世界でも100億%必ず万能薬にたどり着ける」
ルリを助けるめに抗生物質を作ることになる。近代文明が失われた世界で抗生物質を作るのはかなり困難のように思えるが、絶対に作るという自信が現れたセリフ。
千空:「一歩ずつ 一歩ずつ—— 地べた はいずり回って作ってくんだよ」
千空、コハク、クロムで抗生物質を作ることを決意した際のセリフ。これまでもこれからも地道な努力を積み重ねてきた千空の人物像が現れたセリフ。
クロム:「新しいもんにためらわねえで飛びつくのが妖術使いの生きざまだぜ」
猫じゃらしを使った新しい食事が完成したが、千空たちは口にするのをためらっていた。そんな中、クロムが言った言葉。これまでなんでも自分で試し続けてきたクロムのやり方が現れている。
科学的要素の解説
(1) 抗生物質
- ルリを助けるために千空たちが作るもの。
- 人にとりついた細菌を壊す科学の万能薬。
- 20世紀初頭に発見されて以来、人類何億人もの命を救ってきた。
(2) 万能薬(抗生物質)を作るルート
- ペニシリン(バイオルート)
- カビ(ペニシリウム)を使って自然発酵させる方法。実現には清潔な環境と菌の管理、そして発酵をコントロールする知識が必要。
- ただし、再現が難しく不安定な方法でもある。
- サルファ剤(ストーンルート)
- 鉱物や化学物質を用いて合成する、より科学的で安定したルート。
- こちらは工程は多いものの、材料がそろえば再現性が高く、石の時代でも比較的実現可能な方法として、千空はこのルートに可能性を見出す。
(3) 鉄作り
- 千空たちは鉄を作るために川で砂鉄を集める。
- 砂鉄4に炭1を混ぜて焼けば完成だが、火の温度が問題だった。
- 木を燃やした火の温度がせいぜい700度、 砂鉄を鉄にする製鉄に必要な温度は1500度。その差を埋めるためにひたすら風を送りまくる!
こんな人におすすめ!
- 科学が人々の暮らしをどのように変えるのか興味がある人
- 鉄という重要な素材がどのように生み出されるのか知りたい人
- 金狼&銀狼のキャラクターや、村の住人たちが気になる人
まとめ
第8話では、病に伏すルリを救うために、千空が万能薬こと抗生物質の製造に乗り出す。
その第一歩として、科学の根幹とも言える鉄の精製に挑戦するが、材料も人手も圧倒的に足りない。
そんな中、新キャラ・スイカの登場や、猫じゃらしグルメによる村人たちの攻略作戦が展開し、科学の力で人の心を動かす物語が動き始める。
次回、第9話では、千空たちの鉄作りに本格的な進展が──!