あらすじ
司の強大な力の前に追い詰められた千空は、最後の選択を迫られる。
「科学の道を捨てて司の仲間になるか、それとも死を選ぶか」——。
しかし、千空は科学の未来を諦めることなく、司に首を折られてしまう。
大樹と杠は千空の死に涙を流す。
司は苦しんではない。友達の君達が手厚く葬ってあげてくれと言う。
しかし大樹と杠はあることがきっかけで千空の首元にまだ石化が残っていることに気づく。これが千空の命を救うことに繋がるのか。
ここでの進展がこれからの物語に大きく影響する。
見どころ
(1) 司 vs 大樹、杠の構図
千空の死後。司は大樹がムキになって向かってくることを恐れる。だが大樹は我を忘れず、杠と共闘して千空と一緒に逃走することに成功。ここでの駆け引きでは千空の言葉を思い出しながら諦めないシーンが印象的。
(2) 千空を助けたい大樹と杠は
なんとか司から逃走した大樹と杠。千空復活のために心臓マッサージを試すが、効果は得られず。そんな時に大樹が杠から出たあるワードをきっかけに、石化前に千空と話していた内容を思い出す。それが千空の復活の糸口になるのか!
(3) 千空の石化から解けた直後
千空の石化が解けた直後の回想シーンが入る。大樹と合流するまでにどんな過程で今の生活を作ってきたのかが描かれており、千空の人間性が伝わってくる。
名言ピックアップ
千空:「科学は全ての者を平等にする!」
司と大樹、杠が対峙した時に、大樹、杠が思い出した千空の言葉。守られる存在だと思っていたものですら、脅威になる可能性があることを示唆している。
千空:「全員が助かるルールを一から探す」
千空、大樹、杠と科学部員が、石化前に科学室で「自分・友達・恋人のうち1人しか助けられない」ルールの心理テストを行なっていた。千空以外はどれも選べずにいる中は、千空は迷うわずこう呟いた。この言葉を大樹が思い出し、千空生還への糸口に!
科学的要素の解説
(1) 石化の回復力と細胞再生
- 石化状態から復活すると、傷が修復される可能性があることが判明。
- これは後の科学王国の発展にも関わる重要な伏線となる。
(2) 火打ちによる着火と初期文明の再建
- 千空は火打石や摩擦を使って火を起こすなど、最初期の人類と同じ道をたどって科学を復元していく。
- 木材をこすり合わせて熱を発生させ、可燃物に引火させる方法(摩擦熱)は、火のない時代にとって革命的な技術。
(3) 燃焼の原理 〜セルロースの酸化反応〜
- 燃焼とは、可燃物が酸素と反応して熱と光を発する化学反応のこと。
- この反応には「燃焼の三要素」が必要であり、以下の条件がそろうことで成立する。
- 可燃物(木材・油・紙など)
- 酸素(空気中のO₂)
- 着火源(火花・摩擦熱・高温)
- 特に木材などの植物性の可燃物はセルロースという炭水化物を多く含んでいる。
- このセルロースは熱によって可燃性ガス(主に一酸化炭素や揮発性炭化水素)を発生させ、それが酸素と急速に反応(酸化)することで大量の熱を生む。
- この「セルロースが出すガスの酸化による発熱」こそが、木が燃えるときのメカニズムである。
- 千空が行った火起こしは、この現象を巧みに利用しており、科学的根拠に基づいた火の誕生シーンとなっている。
こんな人におすすめ!
- 千空の過去や科学への情熱を知りたい人
- 大樹と杠の活躍を楽しみたい人
- 司との対立がどう決着するのか気になる人
まとめ
第5話では、千空が命の危機に直面し、大樹と杠が自ら動き始める重要な展開が描かれた。
さらに、石化が持つ驚くべき回復能力が示唆され、これが今後の科学王国の発展にどう関わるのかが気になるところ。
次回、第6話では、千空が科学王国を築くための第一歩を踏み出す──!