あらすじ
石化から復活した司が圧倒的な戦闘力を見せる中、千空は彼の「力による支配」を警戒する。
司は千空の知識を評価しながらも、全人類の復活を否定し、「純粋な若者だけの世界を作る」という信念を明かす。
これにより千空と司の思想の違いが明確になっていく。
このままでは司が力による支配を行う世界が作られてしまうと考えた千空は、科学の力を使って対抗する方法を模索する。
その第一歩としてある物を探し始める。
科学の武器を手に入れることができれば、司の圧倒的な戦闘力にも対抗できるかもしれない——。
見どころ
(1) 杠(ゆずりは)の復活!新たな仲間の誕生
大樹がずっと守り続けてきた杠を、ついに復活させる重要なシーンが登場。
長い時間を経ても変わらない大樹の想いと、杠の再会の瞬間は感動的。
彼女の復活により、科学王国に新たな仲間が加わり、物語の展開が加速する。
(2) 大樹 vs 司!生身の戦闘シーン
大樹が千空を守るため、圧倒的な強さを誇る司に挑むシーンは見どころ。
大樹は戦闘技術こそないものの、持ち前の頑丈さとパワーで司に立ち向かい、司に「俺の蹴りを受けて倒れなかった人間は初めてだ。」と言わせる。
(3) 箱根への移動!大仏との対面!
箱根への旅の途中、千空たちは石化前の「鎌倉大仏」に出会う。
このシーンでは杠が文明があった頃の世界を思い出し、感慨にふける回想が入る。
かつての生活と今の状況の対比が、より一層「科学の力で世界を取り戻す」という千空の決意を際立たせる。
名言ピックアップ
大樹:「説明はいらん。千空、お前がそう言うならそうなんだろう。」
千空のこと100%信頼しているからこそ出てくるセリフ。2人の強固な信頼感家を象徴している。
司:「間引いているんだ。新しい世界のために。」
特定の石化した人間を壊していること行為を肯定するセリフ。大樹は人殺しと考えるが、司はあたらしい世界への貢献と捉えている。明らかな思想の違いが浮かび上がる。
千空:「俺らはこれから199万8700年の文明を一気にワープするわけだ。そそるぜぇ、これは。」
司の武力に対して不利な状況にも関わらず、千空が火薬の発明に心が躍っているセリフ。司との対峙の前に火薬の発明が間に合うかが今後の見もの。
科学的要素の解説
(1) コールドスリープ(低温睡眠)と石化の関係
- コールドスリープとは、体温を極端に下げることで新陳代謝を抑え、生存時間を延ばす技術。
- 石化がそれと似た状態になっていた場合、脳の機能が完全に停止せず、意識がゆっくりと維持されていた可能性がある。
- 実際の医学研究でも、低温保存で細胞の劣化を防ぐ技術が研究されており、未来の医療で活用される可能性がある。
(2) 鎌倉の大仏の構造と歴史
- 鎌倉大仏は1252年(建長4年)に造立が開始された国宝の銅像。
- 当初(1243年(寛元元年)に完成した)は木造の大仏が建てられていたが、台風により倒壊し青銅製の仏像が作られた。
- 台座を含めた高さが約13.35メートル、重さ約121トンという巨大な構造を持ち、長年にわたり風雨に耐えてきた。
- 千空たちが対面した大仏は、文明が滅びた後も残り続ける科学技術の結晶として、象徴的に描かれている。
- 青銅は錆びにくい性質があり、腐食しにくいことが鎌倉大仏の長寿命を支えている。
(3) 硫黄と火薬の関係
硫黄(S)は、火薬の主要成分のひとつであり、燃焼を助ける役割を持つ。
火薬の基本的な組成:
- 硫黄(S):燃焼を助ける。
- 木炭(C):可燃性を高める。
- 硝石(KNO₃):酸素供給源となり、燃焼を促進。
硫黄は火山地帯でよく見られ、箱根のような温泉地帯には自然に堆積している。千空たちは、この天然の硫黄を採取し、火薬を作る準備を進める。
こんな人におすすめ!
- 科学と武力の対比が気になる人
- 司の思想や、千空との対立構造に興味がある人
- 鎌倉大仏の科学的な構造に興味がある人
まとめ
第3話では、千空と司の思想の違いが明確になり、科学 vs 武力の対立が本格化した。
千空は、司に対抗するため、科学の力を武器にする決意を固め、火薬の開発に乗り出す。
科学が人類に何をもたらすのか、その光と影を示す重要なエピソードとなった。
次回、第4話では、千空の科学が本格的に司帝国とぶつかり始める──!